登る峠の道標

ただいまお試し期間中

10月、月例ラン(ピ○ロ編) 

【特別な日曜日】 大学時代のサークルってどんなことをやるのが一般的なんだろう?
スポーツを通じて恋意も友情も深められる運動部か?
好きなテーマを4年かけて追求できる文化部か?
ちなみに僕は、大切な講義も忘れ夢中でTVゲームに没頭するサイクリング部に所属していた。
4年生がわざわざPS2を買ってきて、あろうことか「ときめきメモリアル3にはまってる恐ろしい部室「家ではやりづらいから」この男は、他の部員が隣のサークルからオタク呼ばわりされることなんかお構いなしだった。
「3は全編フルボイスで、しかも自分の名前を呼んでもらえるんさ。」むかつく笑顔で彼は言う。
しかも部員達は、彼による出資が90%以上を占めるこのPS2を使う際には、卒業式の告白イベント(彼が気に入っていた橘さん限定)を無理やり見せられるのだ。「どうしても今日あなたにこの気持ちを伝えなければ、伝えなければ、きっと、後悔してしまうから。
だから、私、あなたに告白します。
私は、あなたが・・・・・・。あなたのことが、好きです。
私にとって、この世界でただ一人の、かけがえのない人・・・・・・。・・・そう思います。
心から・・・・・・お慕いしています。
「大好きです!
   ピエロさん! 」・・・だいたいの人が予想するオチがついたところで。
日曜日は、久しぶりにそんなサイクリングサークルの同期に誘われ、現役生の「月例ラン」と呼ばれる月に一度のツーリングを冷やかしに行った。
じっちゃん仲間様なんかやもねは知っているネオチバラギ代表と深夜1時に千葉県柏市で合流。
埼玉と千葉を結ぶ国道16号を、自転車でくるチバラギを探しながら車で千葉方面へ向かう。
春日部で落ち合える計算だったが、チバラギがその先の野田市にある某○教○の研修所の前を自転車で通りたくないとぬかしやがるので、野田市を越えてさらに柏市内へ。
柏市内へかなり入ったところでロードレース用(真っ赤な隊長機)を駆るチバラギを発見。
我が愛車ロードスターは二人乗りでそんな荷物が入らないので、自転車はシートとトランクの間に挟んだ。
オープンカーで深夜のチバラギ新車お披露目パレードを40kmほど走行。とりあえず我が家にご招待した後、5時ごろ出発。今回の月例ラン出発地はJR八王子駅。人数の随分少なかった僕らの世代に比べ、今回は13人も来ている。いつの間にか結構な大所帯になったようだ。このサークルは1年に一度OB会があり、現役生ともお互い顔を覚えているので気楽に話せる。
実はチバラギと久しぶりに会いたかったので彼の誘いには乗ったものの、走るつもりはないのでここで帰っても良かったが、この僕の思考を知り尽くしたチバラギは荷物の一部を車に乗っけて僕が逃げないようけん制する。結局彼らを車で後ろから追っかけて、アクシデントがあった場合は対応するサポートカーを務めることに。なんやかんやで出走したのは10時。さて、最後尾を追っかけよう・・・と思ったら、いきなり「自動車進入禁止」の脇道に入る後輩たち。
たしかこいつらには恨みを買っちゃいないはずだが・・・
目的地「和田峠」の方角に向かって先回りし、その後も数度見失いかけて、峠の入り口に到着。
途中で追い抜いてしまったので、車を止めたら、寝不足も手伝って30分ほどまどろんでしまった。
その間に僕を見つけられなかったのか放置したのか、僕を置いて先に頂上を目指す後輩たち。
この和田峠、このサークルにはおなじみの峠で、曲がりくねった道に不規則な勾配が続くからきつい。どんぐらいきついかっていうと、マジできつい。毎年春に新入生が入ると、まずはこの峠で月例ランをやり、しっかり体をイジメられるマゾかどうかを試され、その後に晴れてMっ子A-Boyチャリ集団「○△×□◎▼アソ○▲イター」の一員となるのだ。 
今日は書くのを放棄して他人の文章晒しました。

狭い山道を車で登る。普段は感じない方向からの重力に、大学時代の感覚を思い出す。
実際、歩いた方が早いくらいなのだ。でも、ひたすらペダルを踏んで「自転車で」坂を登る。あの頃は、このキツさの中に何かを感じようとしていた。
自転車を通して自分と話せるような気がしてた。
「今告ったら、OさんOKしてくれっかな?」
「無理じゃね?」
「新しい種のOPどうよ?」
玉置成実はきっとくるよ。」
「あの○○○○が(*゚▽゚)の(大人の事情のため略1)」
「お前、本当は(大人の事情のため略2)、◆がない『△▼』って関係が」
「うっさい鉄くず」
「そろそろ頂上だ鉄くず。」
「なんだかんだで頑張れんじゃん。」
「お前もな」
今年は「一人で」坂を上りきった。
空が蒼い、風がやわらかい。
地上から随分離れたこの空間は、ある種別世界だ。
高校時代は過保護で厳しい部活におり、学校と通学路しか見ることのない生活の中で無菌培養された青春だった。あの大学4年間、仲間とどれだけの景色を見ただろう。北海道のどこまでも続く大地、沖縄の海と、どこかあたたかい空、サークルの行事ではないが、チバラギや先輩と屋久島に行ったこともあった。
キャンプを張った北海道クッチャロ湖畔でもねが携帯用コンロで淹れたコーヒーを飲んだのは初めての合宿で。このとき、こいつやチバラギと知り合いから「仲間」になったように思う。→【注1】(これは嘘です。クッチャロ湖の夜の嵐で水没する仲間のテントからのSOSを聞こえないふりして見捨てた男です。では続きをどうぞ↓)
僕は、自分の成長は自身の内面との対話によって成ると思っている。
ただ、一番近いそこに行くには、少しの遠回りが必要になるのではないか?
そのための寄り道を、このサークルでたくさんさせてもらった。
びっくりするぐらい友人の少ない僕だが、その中の何人か、いわゆる「かけがえのない」友とここで出会った。ふと、唇から言葉が落ちる・・・
というところで息を切らしたチバラギが自転車で登ってきた。
「やぁ、衰えたな」
今いいとこだったんだよコノヤロウ
仕返しにさらしてやる【注2】(ここで自分のブログに人様が山でへばってる写真を晒しました。今回はその仕返しのために文章晒してやった。後悔はない。以上犯行声明文。)
その後続々と皆がゴールしてくる。あ、そういえばサポートカーじゃなかったっけ僕?みんな汗だくになりながら、同期にタイムで負けたといいながら、それでも満足そうに笑って倒れている。うん、この青春は、間違ってないと思う。車やらバイクがあるおかげでマウンテンバイクなんか乗らななくなって久しいが、彼らを見てると、やっぱ自転車に乗りたくなってくる。
実はこの日は野暮用があり、ここらで退散しなくてはならなかった。現役生に飲み物を差し入れて、チバラギに荷物【注3 この荷物が後で重要になる。】を投げつけて、来月の文化祭で会おうと約束して峠を下りる。やっぱこのサークルと仲間は好きだ。
来年は、きちんと峠に耐えられるように体と自転車を調整して・・・

また車で来ます。【注4 こんな舐めたこと言ってやがります。】